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ROUND6:「忍び寄る魔の手」
作者 タイ米
京とリュウの同時優勝で終わった大会の会場。
そこにはまだ、決勝の時の熱気が残っていた。
「いや、それにしても凄まじい試合でしたね、ユキさん」
「そうね。京と互角の戦いをするぐらいだもの。紅丸さ
んを倒せるのも頷けるわね」
「ええ…」
京の恋人のユキと、弟子の真吾が選手控え室のある廊
下を歩いていた。
目的はもちろん、京のお見舞いだ。
あれだけの死闘を演じてきたのだ。
怪我の方も、相当なものに違いはない。
と、二人の前に怪しげな男達が数人現れた。
「失礼ですが、お二人とも『草薙京』の関係者ですね…」
「だ、誰なんですか! あなた達は…」
真吾が尋ねる。
「我々ですか?」
と、一瞬にして男は真吾との距離を詰めた。
そして、腹に一発、重いパンチを喰らわす。
「ぐはぁっ!!」
「真吾くん!!」
ユキが駆け寄ろうとしたその時、背後から何者かが彼
女の首に手刀を入れた。
「!?」
「ユ…ユキさん!」
ユキが倒れる寸前で、彼女を抱きかかえる少女。
この少女が、どうやらユキの首に手刀を入れたようだ。
「お、女の子!? どういう…」
「あなたは、まず、眼前の敵に注意すべきね。
元の方向に首を戻す真吾。
直後に男はアッパーを入れた。
「ぬぁっ!!」
「むんっ!」
男はとどめのストレートを真吾の顔めがけて、放とう
とした。
が、真吾はストレートが当たる寸前で、上体を屈め、
一気に相手の懐に飛び込んだ。
「ボディが、甘いぜ!!」
強烈なフックが男の腹に突き刺さり、「く」の字型に
体が折れ曲がる。
「喰らえ〜っ!!」
さらに真吾が畳み掛けるように、男の顔にストレート
を入れる。
想像以上の攻撃の重さで、男は完全にのびてしまった。
「ハァ、ハァ。やった! 荒咬みと毒咬みのコンビネー
ションでまず一人!!」
「ほう、ただの素人かと思ったら、そうでもなさそうだ
な。だが、調子に乗るのもそこまでだ。お前一人で、こ
れだけの人数を相手にできると思うか!?」
男達の数はまだたくさんいた。
「くっ!」
「フン。変に粋がらずにいれば、長生きできたものを…。
行くぞ!!」
男達が、一斉に真吾に襲い掛かってきた。
「行くしかないっすね!」
真吾が構えた。
と、その時、背後から声がした。
「いっけぇ〜! 波動拳!!」
真吾の横で何かが通りすぎた。
そして、それは敵の一人を倒していった。
「波動拳!? い、今の技って…」
振り返る真吾。
そこには、白い鉢巻をしたセーラー服の少女がいた。
彼女の拳からは、確かに気が放たれたような跡があっ
た。
「え、まさか、今のを彼女が!?」
「よしっ! 今のは手応えあったよ! そこの人、私が
助太刀してあげる!!」
「えっ! 助太刀って!?」
突然の事に驚く真吾。
(彼女って、一体、何者なんだ?)
彼の心の中で、一つの疑問が浮かぶ。
「チィッ、こいつは確か、『春日野さくら』とかいう厄
介な女学生だったな!」
「妙にリュウの技に似たようなのを使ってきて、しかも
それなりに強いときたもんだ。調子こかせる前に、ここ
で潰しとかねえとな!」
「同感だ!」
男達が次々とセーラー服の少女、さくらの事について
話す。
(この人達にも知られている。彼女って、一体、何者な
んだぁ〜!?)
真吾の疑問はますます膨らんでいくばかりであった。
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