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ROUND15:「掟破りの変な奴」

作者 タイ米

「始めぃっ!!」
 タクマの声が、道場内に響き渡る。
 同時に、ロバートが構えた。
(さて、こいつがどの程度の奴なのか、お手並…)
 心の中で呟いてる途中であった。
 ジミーはいきなり、体を丸め、まるでキャノンボール
のようにロバートに襲いかかって来た。
「な、何やて!?」
 とっさにガードするロバート。
 しかし、そのパワーにかなり後退させられてしまった。
(何てスピードとパワーや。ガードの上からでも効きよ
る。まともに当たったら…)
 早くも少し荒くなった息を整えるロバート。
 しかし、ジミーの猛攻は止まらない。
 上から横からピンボールのように、ロバートに突進攻
撃を続ける。
「な、何や、これ。反撃する機会が全く得られへんわ!」
 困惑するロバート。
「どうだ! これがジミーの必殺技、『ローリングアタ
ック』よ!!」
 弾が叫ぶ。
「とりあえず、この状況を何とかせえへん限りは、何も
始まらん!!」
 一つの攻撃に的を絞り、そこから脱出するロバート。
 しかし、ジミーは後を追ってきた。
「もろた! 龍撃拳!!」
 ロバートから放たれた気が、ローリングアタックで突
進するジミーを捉えた。
「ガウッ!!」
 カウンターを受け、吹き飛ばされるジミー。
 何とか、ダウンだけは免れる。
「今度はこっちの番や!!」
 ロバートが突進する。
 得意の足技が、綺麗に入る。
「そりゃっ! そりゃあっっ!!」
 ジミーの体が左右に揺れる。
「どないした! ガードせんと耐え切れへんで!!」
 ロバートの蹴りが容赦なく、ジミーの体力を減らす。
 そして、さらに蹴りを加えようとする。
 その時だった。
 ロバートの長い足をジミーが掴んだ。
「な!?」
 そして、そのままジミーはこちらに引き寄せ、ロバー
トの体に抱きつく。
「な、何だと!?」
 リョウはその光景に驚いた。
 ジミーが、ロバートの頭を噛んでいた。
「ちょっと! 何よそれ!! アレンジも何もないわ!
反則じゃない!!」
 ユリが抗議する。
 タクマも止めに入ろうとしたが、その前にロバートの
ボディがジミーに突き刺さった。
 一度では離れないジミー。
 何度も何度もボディを入れるロバート。
 遂に、ジミーはロバートから離れた。
 しかし、ロバートの頭からは血が流れていた。
「ロバート! 大丈夫か!!」
 リョウが心配する。
「大丈夫や。少し目が覚めただけや…」
 とはいえ、ロバートの様子がどことなくおかしかった。
 そして、リョウは悟った。
 ジミーは踏み込んではならぬ『領域』に入ってしまっ
たと。
「リョウ。これ、預かっててくれるか?」
 ロバートが上着を脱ぎ、リョウの方を見ずに投げ捨て
る。
 受け取るリョウ。
「な、何かロバートさん、恐いよ」
 ユリもロバートの異変に気がついたようだ。
「ユリ。よく見ておけ。今からロバートは『地上最強の
獣の拳』を使うぞ」
「『虎』の拳を?」
「ここにいる誰もが思い知るだろう。ロバートの拳が、
何故『地上最強の獣の拳』と言われるかをな…」

 ジミーは動かなかった。
 いや、動けなかった。
 彼の獣としての本能がそうさせるのだろうか。
「ジミー言うたか…」
 ロバートが口を開いた。
 反応するジミー。
「最初から、まともな空手の試合は期待せえへんかった
が、こういうスタイルで来るとはのう…」
 ジミーの方に目線を向けるロバート。
「そっちがそう来るんなら、こっちもそれなりの対処を
させてもらうで!!」
 ロバートの目、いや、存在自体が『虎』になりつつあ
った。



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