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ROUND16:「『虎』の拳」
作者 タイ米
ロバートの気迫に、本能が近づく事を許さないジミー。
相手が近づく度に、後退する。
「ど、どうしたんだ! ジミー!! 戦えよ!!」
弾が叫ぶ。
「無駄だぜ。あいつの頭の中にはイメージが描かれてる
のさ。どっちが格上かってな…」
リョウが返す。
「何!?」
「止めるなら、早めにしたほうがいい。でないと、取り
返しのつかないことになるぜ…」
「ケッ。はったり言いやがって! ジミー! 構わず攻
めろ!!」
しかし、弾の言葉など全くジミーの耳には入らない。
それほど、ロバートに対する恐怖は想像以上のもので
あった。
段々と、蹴りが届く間合いに入るロバート。
そして、そこでピタリと止まる。
「お前に教えといたる。上の者を怒らすとどうなるかを…」
ロバートの目は本気である。
「攻めろぉ〜! ジミー!! さくらの頑張りを無駄に
する気かぁ!!」
弾のゲキが飛ぶ。
「もう無理だ。相手に恐怖感が植え付けられてる以上、
攻撃する事もままならないぜ」
だが、弾はリョウの言う事を聞かず、ひたすら叫び続
けた。
「よく聞け! ここはジャングルじゃない! 誰もが格
上にもなれるし、格下にだってなれる! 気持ち次第で、
どうにでもなるんだ!!」
弾の言葉が少しずつ、ジミーの耳に入っていく。
「だから、お前も気持ちを強く持て! 虎だか何だか知
らねぇが、そんな奴に負けるなよ!! お前は『ジミー』
だろうが! 俺が認めた唯一の男、『ジミー』だろうが!!」
その時、ジミーの中から、完全にロバートに対する恐
怖感が消えた。
「これで決めたる!!」
ロバートが渾身の蹴りを放つ。
が、それが放たれる直前に、ジミーの体から電気が発
せられた。
「!?」
思わず、足を引いたロバート。
その隙に、ブランカが電気を纏ったローリングアタッ
クで一気に突進していった。
「ぐぅっ!!」
まともに攻撃を受けたロバートはそのまま弾き飛ばさ
れた。
ダウンするロバート。
「ロバートさん!!」
「行けぇっ! トドメだぁっ!!」
起き上がろうとするロバートにジミーが襲い掛かる。
「『虎』の拳、見せたる…」
そう言い、ロバートが掌に気を溜める。
本能的にジミーも気付いた。
だが、いかんせん遅すぎた。
「覇王…翔吼拳!!」
突進の勢いを止められなかったジミーは、特大の気弾
をまともに浴びてしまった。
ダウンをし、何とか起き上がりはしたが、もう次の瞬
間にはロバートは目と鼻の先にまで間合いを詰めていた。
「は、速っ!!」
これには弾も驚いた。
「始まるぜ…」
リョウが言った。
ロバートの止まらないラッシュ。
本能的にガードを固めたジミーだが、それもあえなく
弾かれ、途中から喰らい始める。
あとは一方的な試合であった。
まさに『虎』が相手を仕留めるかの如く…。
ジミーには、彼の勢いを止める術はなかった。
そして、攻撃を受け続けるうちに、遂に白目を向いて
しまった。
タクマはこの時点で試合を終了させた。
「しょ、勝負ありぃ!! この勝負、極限流代表『ロバ
ート・ガルシア』選手の勝利!!」
勝ち名乗りを受けるロバート。
倒れているジミーに一礼し、後はそのまま自分の席に
戻っていった。
リョウから、預けていた上着を受け取る。
「しかし、ロバート。ちとやり過ぎたかもな。ユリ、ま
だ恐がってるぜ…」
恐がってるユリの顔を見たロバート。
ようやく、そこで我に返ったようだ。
「ユリちゃん。ワイ、恐かったか?」
「え、うん。正直…」
「そうか。あまりユリちゃんには見せとらんもんな。『虎』
の拳の本質的な部分を…」
「暴れだしたら止まらない。これが最強の拳といわれる
『虎』の強さだ…」
リョウがロバートの拳について説明する。
「型もそうやが、噛む攻撃に関しても、非常にワイの本
能を刺激してな。少し『調教』してやったわ。『虎』と
してな…」
「調教?」
ユリが尋ねる。
ロバートは少しの間、黙った後に口を開いて、こう答
えた。
「空手のやり方。そして、強さの『格』の違いをや…」
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