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ROUND17:「大将戦」
作者 タイ米
極限流とサイキョー流の団体戦。
途中経過は1対1のドロー。
最後の大将戦で、全ての結果が出る流れとなった。
1勝を返した極限流側は、否が応でも士気が高まってい
った。
「最後はリョウ、お前の出番や!」
「ああ。ロバートが繋げてくれた1勝、無駄にはしないさ」
「頑張って! お兄ちゃん!!」
ユリとロバートに励まされ、リョウは試合の場へと向か
う。
「ああ。ひどいやられ具合だな…」
ロバートから受けたジミーの傷を見る弾。
思いのほか、程度は深く、まるで『虎』が獲物を食い千
切った跡のようであった。
「とりあえず、ここで俺が勝てばいいんだ。サイキョー流
の威信は俺が守る!!」
気絶しているさくら、ジミーにそう言いつつ、弾も試合
場へと向かっていった。
「今までの中では、一番、空手家らしそうだな…」
リョウが弾に言い放つ。
「ケッ。サイキョー流のパクリが! 本物を直々に見せて
やるぜ!!」
弾も負けじと言い返す。
「なあ、ユリちゃん。何で、うちらがあの流派のパクリ思
われてんのや?」
成り行きが全くわからないロバートはユリに尋ねる。
「さあね。試合の申し込みをしてきた時も、あんな感じだ
ったし…」
「全く。何なんや、あいつら…」
リョウと弾、それぞれが構える。
重苦しい雰囲気が周りを包む。
「それでは、大将戦、極限流代表『リョウ・サカザキ』選
手とサイキョー流代表『火引弾』選手の試合を始める。お
互いに礼!!」
「よろしく!」
「こちらこそな…」
「始めぃ!!」
タクマの声が場内に響き渡った。
と、同時に先に弾が仕掛けた。
「先手必勝! 断空脚!!」
連続の飛び蹴りをいきなり、リョウに放った。
だが、出鼻を挫くつもりの攻撃は、あっさりかわされて
しまった。
「生憎、次峰の選手が同じ戦法を取っていた。こうなる事
は予測済みだ!!」
弾の隙を突き、リョウは、掌から気を集約し、それを一
気に解き放った。
「虎煌拳!!」
「がぁっ!!」
完璧に無防備な状態を突かれた弾。
まともに被弾し、遠くの方まで吹き飛ばされた。
「チッ。調子にの…」
弾が立ち上がろうとした次の瞬間には、もうリョウの足
が迫っていた。
「飛燕疾風脚!!」
飛び蹴り、回し蹴りの2連打。
弾は壁に叩きつけられた。
そして、体がうつぶせになろうとした所を、リョウの拳
が襲う。
「虎咆!!」
アッパーカットが見事に弾の顎を打ち抜いた。
早くも一回目のダウンを喫してしまった弾。
最初の位置に戻るリョウ。
タクマがカウントを取る。
(な、何だよ、あいつ。ここぞとばかりに俺らの技をやり
やがって…)
カウントが進む。
起き上がろうとするが、思いのほか、ダメージは重く、
体が言う事を聞かない。
(ま、マジかよ。こんなパクリ軍団に負けるのかよ!?
さくらやジミーが必死こいて頑張ったのに、俺だけこんな
無様にやられていいのかよ!?)
「7、8…」
その時、やっと弾の体が起き上がり、構えを取る。
「やれるのか?」
確認するタクマ。
「当然だ。まだまだこれからだぜ!」
弾の目がそれを物語っていた。
タクマが続行を促す。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁ〜っっ!!」
一目散に駆け出す弾。
リョウに正拳突きを仕掛ける。
防御の態勢を取るリョウ。
(馬鹿め!!)
急にしゃがみこんだ弾。
(正拳突きはフェイント! 本命はこっち!)
足払いを仕掛ける弾。
だが、リョウはそれも読んでいた。
ジャンプでそれをかわし、空中から虎煌拳を放つ。
「何!?」
今度は辛うじて、ガードした弾。
だが、リョウの攻撃は止まらなかった。
「くっ!!」
徐々に後退させられる弾。
またもや、壁を背負ってしまった。
(も、もう壁かよ!!)
何とか位置を逆転させ、攻守交替としたいところ。
しかし、リョウはそれをさせるほど、甘くはなか
った。
「くぁっ!!」
リョウの正拳突きがガードの上からでも効いてく
る。
「どうしたどうした! 威勢がいいのは口だけか!?」
攻撃と共に、リョウのゲキが弾の心に突き刺さる。
インパクトのある攻撃が、次々と弾のガードを弾
こうとする。
「チィッ! 次の攻撃がわかっても、この距離じゃ
行動に移せねぇじゃねぇか!」
その時、リョウのアッパーが弾のガードを遂に弾
く。
「しまった!!」
「喰らえぇっ!!」
リョウの正拳突きが、弾の顔に突き刺さった。
「思い切りいったな! これは効いたで!!」
ロバートの言う通り、まともにリョウの剛拳を受
けた弾は、開始5分にして、二度目のダウンを喫し
てしまった。
しかし、今度は辛うじて、両手と壁が、完全に地
に伏せるのを防ぎ、8カウントまで休んで、何とか
立ち上がる事に成功した。
「ヘッ。こんなモンで俺がやられるかよ…」
弾が挑発する。
「そうだな。俺もここで勝負が決まっては面白くな
いと思っていたところだ…」
「!?」
「手ぶらで帰るのもシャクだろう。お前にこれから
教えてやるよ。真の『極限流空手』の力を…」
リョウvs弾。
修羅場はまだまだこれからであった。
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