SNKvsCAPCOM
ROUND20:「打ち合う二人」
作者 タイ米
互角の打ち合いが続く両者。
弾が要所要所で挑発しつつも、リョウはそれにペース
を乱される事はなくなった。
逆に、今になって、その挑発が徐々に弾を苦しめる事
になった。
「チィッ! 余計なの喰らっちまったか!」
「挑発のおかげで、完全に波にのりきれないようだな。
おかげでこっちにチャンスが回ってきたぜ!!」
攻めの姿勢を崩さないリョウ。
序盤と同じく、弾を壁に追い詰める。
「もう逃げられないぜ!!」
凄まじいラッシュ。
ガードしつつも、弾はやはり嫌がっているようだった。
「ウザいラッシュだな。だが…」
攻撃を受け続けたおかげか、すっかりタイミングを覚
えた弾は、リョウの攻撃をカットする。
「な!?」
「何度も同じ手が通用するか!」
そして、逆に弾のラッシュが炸裂する。
「喰らえっ! 必勝無頼拳!!」
無数のパンチ、蹴りがリョウを襲った。
「しまった!!」
次々と入る弾の攻撃。
最後のアッパーカットが決まり、リョウはダウンをし
た。
「リョウ!」
「お兄ちゃん!!」
叫ぶロバートとユリ。
だが、なかなかリョウは起き上がらなかった。
「無駄だぜ。今の技は『サイキョー流』の奥義の一つ。
これだけ綺麗に入りゃ、10秒以内で起き上がれやしね
ぇよ!」
勝利を確信した弾。
だが、その時、リョウがゆっくりながらも立ち上がっ
た。
「何!?」
「危ない、危ない。今のラッシュ、結構重かったぜ…」
血を吐き出すリョウ。
「あんたの拳も『本物』のようだな…」
「当然! 最初から言ってるだろうが!!」
「だがな、だからこそ、こっちも余計、負けるわけには
いかねぇんだ!!」
リョウが突進する。
凄まじい攻撃のラッシュが弾を襲う。
「『本物』同士の対決なら、こっちが負けるわけにはい
かない! 俺達が『本物』の極限となる為に!!」
想いが一つ一つこもったリョウの拳が弾のガードを揺
さぶる。
「そうかい。だが、こっちも同じ思いよ。『サイキョー
流』は文字通り、『最強』でなくちゃ、ならないからな!」
弾がリョウの攻撃を弾く。
「何!?」
「終わらせてもらうぜ! 晃龍烈火ぁっ!!」
3連続の晃龍拳が綺麗にリョウに入った。
(よし、今度こそ落ちる!!)
手応えを確信する弾。
上空から、リョウがダウンするのを確認する。
が、直前でそれを回避された。
「な、何だと!?」
そして、リョウは体中から気を溜め集めた。
(覇王翔吼拳か! あのモーションの大きさならガード
で防げる!)
ガードを固める弾。
しかし、リョウは溜めた後、そのまま突進し始めた。
(な!?)
着地した弾。
しっかりガードを固めている。
(またラッシュか。来やがれ! 俺が弾いて反撃…)
突如、重い攻撃が弾の腹に突き刺さった。
(何!? ガード無視だと!!)
自分の拳を見てみた。
いつの間にか、ガードが弾かれている。
(何て拳だ!? ガードすら簡単に貫くなんて!)
その後も攻撃が次々と入る。
その重さたるや、今までの比ではなかった。
(まさか、これがとっておきだと!!)
止まる事のない攻撃の雨。
(やばい! こっちが落ちそうだ!!)
「龍虎乱舞。ああなったら、さすがの相手もどうしよう
もないで…」
ロバートが呟く。
極限流空手の一番の大技、龍虎乱舞。
無数の連続攻撃で、多くの相手を地に伏せてきた。
今回の試合も、これで決着をつけようという意志であ
った。
(いろいろあったが、これで最後だ。この全てを込めた
虎咆で、勝利を掴み取る!!)
リョウの最後のアッパーカットが弾の顎を捉えた。
「もら…」
その時だった。
弾が、アッパーを放った手を掴んだ。
「何!?」
「待ってたぜ。この攻撃を…」
ニヤリと笑みを浮かべる。
「乱舞と分かった瞬間に、ここに照準を合わせてたのか!」
「そういうこった。もう逃がしはしない!!」
次の瞬間、弾の体が急に光り始めた。
「何をする気だ!」
リョウが尋ねた。
「決まってるだろ。さくらと同じ事をするのよ…」
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