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ROUND21:「押忍」
作者 タイ米
「あの娘と、同じ事を!?」
弾の言葉に、リョウが驚愕する。
「そうだ。全ての力を、気に変え、相手にぶつける技よ!」
光が段々増してくる。
「まずい! あの気の噴出量は尋常やないで! 何とか
せんと二人ともやばいで!!」
「お兄ちゃん!!」
ロバートとユリが叫ぶ。
「その気の噴出量、自爆するつもりか!!」
「安心しな。ギリギリで俺が勝つ! 倒れるのはお前一
人だ!!」
光が二人を包み込む。
「リョウ!!」
「喰らえっ! 『サイキョー流』最終奥義、漢道!!」
その瞬間、大きな爆発が起き、光が道場内の人間全員
の視界を遮った。
しばらくの間、煙で周りが見えず、晴れるのに、数分
の時間を要した。
その目で、二人の様子を凝視する全員。
煙が晴れても、弾が最後の技を放つ前と、態勢が変わ
らなかった。
だが、変化は次の瞬間に起こった。
技を放った弾が、力尽きたようにその場に倒れたのだ。
そして、リョウは正拳でも出したかのように、拳を前
に突き出していた。
「お兄…ちゃん」
リョウが荒い息を整え、こう言った。
「一撃必殺…、天地覇煌拳!!」
弾の胸の辺りには、リョウの正拳によってつけられた
跡がくっきりと残っていた。
タクマが弾のもとに駆けより、意識を確認する。
数秒後、弾の続行不能の合図とも呼べるレフェリース
トップのポーズをタクマがした。
「勝負ありぃっ!!」
タクマの声と共に、ロバートが、ユリが、門下生が一
斉に喜んだ。
リョウだけは、まだ、意識が遠くの方にあるようだ。
そこに駆け寄ったのはロバートであった。
「おい。何、ボーっとしてんのや! リョウ!!」
「ロバート?」
「勝ったんや! お前は勝ったんやで!!」
ロバートが指差した先を、リョウが見る。
そこには、意識を失って倒れている弾の姿があった。
「そうか。俺…」
「勝ったんや。『火引弾』に。そして、『サイキョー流』
に!!」
『サイキョー流』に勝った。
リョウは、ロバートの言葉で、それを初めて実感した。
「勝ったのか。俺達、『サイキョー流』に…」
その時、リョウの元にタクマが駆け寄ってきた。
「リョウ。最後の勝ち名乗りを挙げるぞ…」
「か、勝ち名乗り。押忍!!」
タクマがリョウを元の位置に戻す。
「大将戦。極限流代表『リョウ・サカザキ』選手とサイ
キョー流代表『火引弾』選手の試合、KOにより、『リ
ョウ・サカザキ』選手の勝利…」
さらに続けるタクマ。
「そして、極限流とサイキョー流の対抗試合。2対1に
より、極限流の勝利とする!!」
リョウは道着の裾を整え、手を交差し、広げると共に
こう叫んだ。
「押忍!!」
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