時を駆ける青年
第六話〜ハイテクタイムマシン〜
作者 クラッシュさん
| 市川家の食卓。 市川・龍一・裕二「……。」 浜崎「ぷっはぁー!うまかったわい!」 今日は一人多い…。浜崎博士は爪楊枝で歯の間の歯垢をとっていた。 浜崎博士を見る限り朝飯は終わったのだろう。 市川「おい。浜崎。」 浜崎「なんじゃ?」 市川「タイムマシンができたって言うのは本当なのか?」 浜崎「さっきから言っておるじゃろ?本当じゃ。」 龍一「タイムマシンなんてあるんですか?いくら、化学が進んだって聞いてもそんな話、テレビでも新聞でも聞きませんよ?」 裕二「そうだそうだ。証拠を見せろ。」 浜崎「ふっふっふ!見たいか!?見せてやろう!!表に出るんじゃ!!」 裕二「あー…ったく本気かねぇ。」 龍一「本気じゃない?あのお爺さんマジって顔だったし。」 市川「それが信用ならねぇんだよ…」 三人はブツブツといいながら、表に出てきた。 浜崎「ちょっと、待っておれ!!」 そう言うと浜崎博士はなにやら、ビデオのリモコンのような物を取りだし、三角(再生?)のボタンを押した。すると、無人の車が道路を走ってきた。その車は真っ黒なボディで、ナンバープレートは「No.1!」と書かれていた 裕二「何じゃありゃぁぁ!!?」 龍一「わからないけど無人だね。」 市川「冷静だな。おまえ…。」 すると、浜崎博士は彼らの目の前で車を四角(停止?)ボタンで止めた。 浜崎「どうじゃぁ!!」 市川「何が?」 浜崎「何が?って、おぬし、これがタイムマシンじゃよ。」 龍一「この車がですか!?」 龍一は驚いた。それはそうだろう。外見はただの車だからである。 裕二「中を見せてくれよ。」 浜崎「うむ!良かろう!」 浜崎博士はそう言うとリモコンの先の方にある「電源」と言うボタンを押した。すると、車のドアが開いた。真っ先に中をのぞき込んだのは市川だった。 市川「あれ?この車、アクセルとブレーキがないぞ?」 浜崎「このリモコンがあれば操縦なんぞ簡単じゃ!三角のボタンを押すだけで、超音波を発生させて、左右に避けてくれるのじゃ!しかも、ブレーキも簡単じゃこの四角ボタンを押すだけで、即座にブレーキがかかるのじゃ!おまけにタイヤは「雪」でも「雨」でも滑らない。スーパー浜崎製タイヤじゃ!!それにカセットテープもMDも聴けて完璧になっておる、おまけに…」 市川「もういい。それでどうやったらタイムワープできるんだ?」 龍一「この年代書いてあるところは何です?」 浜崎「これはじゃな、今の時間じゃ。」 裕二「あ、ホントだ。今、7:40か…」 浜崎「その下の液晶が行きたい年代を入力できるのじゃ。」 裕二「え?どうやってだよ?」 浜崎はリモコンを取りだし、三角が2個左に向いている(巻き戻し?)のボタンを数えられないほど押した。すると液晶には、1600年と表示された。 浜崎「これで後は普通に20メートル走るだけじゃ。」 龍一「走るだけですか?」 市川「おいおい、冗談きついぜ。それだけか?」 浜崎「ただ、タイムワープするには、ガソリンを約半分も使用するのじゃ。」 裕二「…って事は、行きと帰りで、いっぱいいっぱいじゃないかよ。」 浜崎「しょうがないじゃろ!タンクが入らんのじゃ!」 龍一「(MDプレーヤーとか入れるなら、ガソリンを溜め込む機能とか作れば良いのに)(汗)」 市川「面白そうだな。乗ってみるか!」 浜崎「まあ、待つのじゃ。実はまだ、人体実験はしておらん。」 市川「なんだと?だって、さっき俺の家の朝飯当てたじゃないか!?」 浜崎「あれはお主が朝飯を作っておるのを覗いただけだ。そうでもせんと、朝飯は食えん!!」 市川「てんめぇ!!騙しやがったな!しかも、人間の俺を実験しようとしたんだな!!実験なら自分の体でしやがれ!!」 浜崎「まあ、怒るな。昨日ネズミで実験したら、一瞬で消えて、3分後、何とか生きて帰ってきた。」 龍一「つまり、人体実験はまだなんですね。」 浜崎「…その通り、お主らほど、タフな男なら完璧じゃ!」 市川「……わかった。」 浜崎「おお!わかってくれたか。」 3分後… 浜崎「何をするんじゃぁー!!やめんかー!!」 その場所にいたのは、ガムテープでぐるぐる巻きにされた浜崎博士だった。 市川「「普通」の人間でまともに帰って来れれば、乗ってやるよ。」 浜崎「それじゃあ、実験の意味がないじゃろぉーがー!!」 市川「うるせぇ!裕二!押し込んでドア閉めろ!!!」 浜崎「うわぁー!!化けて出てや…」 ドン! 裕二は浜崎の言葉を聞かずにドアを閉めた。 裕二「大丈夫ッスかね?」 龍一「大丈夫でしょ?多分。」 市川「ポチッとな。」 市川は二人に宣言も述べず、スイッチを押した。 ブロロロロロ…!! 車は走り出した!すると、少し先の所で急に光りだした!! 市川「うわぁ!!」 龍一「ま、眩しい!」 裕二「な、何ィ!?」 次に目を開いたとき、車の姿はなかった。 裕二「う、嘘だろ?」 龍一「本当に消えてしまった…。」 市川「40秒後にタイムワープさせたけど、失敗か?」 裕二「失敗ッスかね?」 龍一「南無阿弥陀仏…」 市川「!!なんだ!この気配は!!」 そして、また、さっきの場所がまた眩く光り出した。 龍一「まただ!!」 ブロロロロー!! 裕二「う、嘘だろ!?」 市川「戻ってきた!?」 龍一「!!」 3人は目と口を開いたままだった。 龍一「あの、浜崎博士はいいんですか?」 市川「そ、そうだったな。」 3人は車の方まで歩いていった。 裕二「あ、開けますよ?」 市川「気が進まないけど、開けろ。」 龍一「…以下同文です。」 裕二「それっ!!」 ガチャッ!! 車のドアを開けた!そこにいたのは、ガムテープで巻き付けられた浜崎だった。 浜崎「…い、生きておる。生きておるぞぉー!!!」 龍一「あ、ははははは!!!やりましたね!成功です!!」 市川「……やったな!浜崎ぃ!」 浜崎「ううぅ…(泣)ありがとう!ありがとう!所で、お主ら!!酷いのぉ!!強引にワシを未来に送るとは!!」 裕二「成功したんだから良いじゃねぇえのって!」 浜崎「ワシには一瞬(1秒)じゃったが、お主らには40秒あったのか。」 市川「ふぅ、スゲェな…本物だとはな。」 市川は浜崎をタイムマシンから放り出して、タイムマシンに乗り込んだ。 浜崎「馬鹿者が!今日はもう動かないわ!!」 龍一「え?なんでです?」 浜崎「さっきバッテリー表示を見たが、もう、0になっておった。」 裕二「もう?」 浜崎「うむ、二回しか実験しとらんのにのぉ。」 市川「バッテリーも使うのか…明日、バッテリーを持っておまえの家に行く。だから、タイムマシンを使わせろ。」 龍一「ヘッ!?市川さんが?」 市川「江戸時代に行きたい。誰よりも強くなるために。」 裕二「市川さん…。」 浜崎「ほっほっほ。いいじゃろう。おぬしが求めるものに協力してやろう。 龍一「浜崎博士……」 浜崎「ただし、一回2000円じゃ!」 三人「……ドケチ博士め。」 次回!ついにタイムワープ!! 続く |