翼の拳
〜Fists of Wings〜
第14話
作者 タイ米
迫る炎虎の拳。
それを頭ごと受け止めるなのは。
彼女は完全に捨て身であった。
そして、彼女の渾身の翼の拳が炎虎の顔面に炸裂する。
ダウンする炎虎。
「これが、炎虎と月影なのはの試合の一部始終です」
試合の様子を写していたビデオが終わる。
「…しかし、あれだな。あの炎虎に勝つとは大した少女で
はないか」
笑みを浮かべる男。
「マスター、実はこの少女ですが、一瞬ではありますが超
パワーのようなものを感じまして…。これを上手く利用す
れば、計画はさらに進むのではないかと…」
「確かに…。この画面でもそれはひしひしと伝わる。これ
をモノにしない手はない…」
「でも、どうやって?」
男の隣にいる金髪の女性が問う。
「カスミ、お前がこの少女について詳しく調べろ」
男がカスミに指示を出す。
「月影なのはを…ですか?」
「そうだ。彼女は今、『武聖流空手道場』という所にいる
そうじゃないか…。お前もその門下生になるのだ」
「なるほど。彼女の近くにいれば、その分詳しい情報も得
られる!!」
金髪の女性が納得する。
「歳も同じくらいだ。カスミなら、奴と打ち解けるくらい
わけないだろう…」
男がカスミの方を見る。
「わかりました。それでは、作戦開始します」
「頼んだぞ!」
そう言い、カスミは消える。
「ククク…。『月影なのは』か。これは楽しみになってき
たぞ!!」
男、『二月』の不敵な笑みに金髪の女性は、少々恐怖す
ら覚えるのであった。
なのはを巡る新たな騒動。今、ここに始まろうとしてい
た…。
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