目立たないのが目立つ男
〜縁の下の力持ち〜


第3話


ピーンポーン♪
木原は青島家のインターホンを押した。

出てきたのは、オレンジ色の髪の毛をした男だった
「帰れっ!!」
オレンジ色の髪の男が急に叫んだ。

「なんだよ、いきなり!!」
「あ、なんだ、木原か…そうそう、それなら良し。」
「(何が良いんだ…)」
木原は明らかに呆れている。

「ところで、何用で?」
「ああ、実は、女の子を落とす方法…」

バタン!!

「(何ぃー!!?)(汗)」
青島は急にドアを閉める。

「その話には乗らないぞ!!」
「なんでだよ!!こらっ!!ドアを開けろ!!」

ドンドンとドアを叩く木原。

「おまえ、今度の合コンで女の子を独り占めするきだろ!!」
「阿呆か!!んなことするかよ!!(できるかよ!!)」
「嘘こけ!!俺にはおまえの考えていることが毛を取るようにわかる!!」
「それを言うなら、「手にとるように」だよ!!やっぱ、阿呆か!!おまえは!」
こんな時でも、しっかりとツッコミだけはする木原。

「とにかく、ここは開けない!!」
青島は言い張った。
木原は諦めて自転車に跨ろうとする。

「…そうかよ。しょうがない…室伏の家に行くか…。」

「いやいやいやいや!!オルア!オルア!オルア!!待て待て待て……」
青島が急に叫びながらドアから出てきた。

「…?どうしたんだ?青島。」
「帰るなよ!!なんか、抵抗しようぜ!!抵抗!!ドア破壊とか、家破壊とか!!寂しいだろ!!」
青島は涙目で叫ぶ。

「え?」
無茶を言う青島に疑問を抱く木原。

「俺が言いたいのは、おまえが無愛想って言いたいんだよ!!そんなんじゃ、女の子に嫌われちゃうぞ!!何か良い反応してくれよぉ!!寂しいだろぉ?」
涙目だった目から、ポロポロと涙が落ちる。

「…おまえ、最初っからそれが言いたかったのか?」
木原は聞いた。
「いーや。」
笑顔で答える青島。
それを聞いて、木原は自転車で狭い道のど真ん中を走っていった。

「オイオイオイオイオイ!!!待て待て!!オルアァ!!待ってよー!!待ってくれぇ!人でなしー!!アホー!!ボケー!!死ねー!!チビー!!」

それを聞いた木原が猛スピードで戻ってきて、自転車に乗りながら正拳突きをかます。
「うるせぇぇぇ!!!」

ゴッ!!

凄い音がした。しかも、鈍い音だった。
音と同時に青島の鼻から血が垂れる。

「き、急に戻ってくるなよー!!」
鼻血を手で拭う青島
「もう来ねぇよ…。疲れるから。そして、バカは頼りにならないから。」

「ああ!!待て木原!!」
バカ(青島)が叫ぶがその声に反応することなく木原は去っていった。


「(…ったく、あのバカ(青島)は…だが、無愛想か…俺って、そんなに無愛想かな?まだ、時間がたっぷりあるな…そうだ…せっかくだから、ホープや室伏にも聞いてみるか…でも、ホープにはバレないように聞かないと…)」

木原は再び時速14qぐらいで室伏家に走っていった。


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