目立たないのが目立つ男
〜縁の下の力持ち〜


第4話


〜室伏家にて〜

「…で、俺に相談しに来たわけ?」
室伏は誰かとトランプをしながら、木原と話している。
「ああ、まあね。…で、おまえらの息子さん達…来てたのか…?」
室伏とトランプをやっている「誰か」とは、未来から遊びに来た室伏の息子と娘だった。

「だって…俺達、父さんと遊んだ思い出が少なくって…」

彼は室伏の息子の「室伏 龍一」本日は未来から、遊びに来ているようだ。「むやみに過去に行くな」と、タイムマシン開発者によく言い聞かされているのだが、彼は意外とおちゃめ(死語)なので、約束を守らなかったりする。だが、なんだかんだで大きく未来に関わることは、全くしていないと思われる。ちなみに、室伏&ホープ(注意:母)から、生まれてきたとは、思えないほど、秀才でお利口さん。

「そうそう…思い出を作らにゃいと…」

この妙に猫語が入った少女は「室伏 陽虎」例のごとく、彼女も室伏の娘である。一応、龍一とは双子の兄妹だが、室伏 崇の遺伝子が多く含まれていると思われる…(ナンパが趣味でバカなところとか…)今回は龍一についてきたようだ。

実は木原が二人に会ったのは初めてではない。
何故なら彼らは、しょっちゅう室伏家に来るからだ。(しかも、泊まっていく)
室伏の父母(龍一達の祖父・祖母)には、説明が面倒くさいので「友人」と言っているそうだ。

「…まあ、いいか。」
木原は大きく溜息をついた。
そんな木原を無視して、「ババぬき」を再開する室伏ファミリー。
「うわっ!!マジかよ!?」
騒ぐ室伏。
「あははは!お父さん、ババひきましたね?」
龍一は何が面白いのかひたすら笑う。
普段から真面目な彼でも、こんな一面はあるのだ。
「にゃははは!お父さんって、単純〜!」
陽虎にまでバカにされる、父・室伏。
「クッソ〜!見てろよぉ〜?」
「楽しそうだな…おまえら…」
木原は隅で居場所がないかのように暗くなって体育座りをしている。

「あ?悪ぃ悪ぃ!それで、どうやったら女の子にモテるかが聞きたかったんだっけ?」
今さら木原に気がつく室伏。

「キーにゃん、モテたいのぉ?」
陽虎が口を挟んできた。

ここで説明しよう!!
「室伏 陽虎」は沢山のあだ名を考える事が出来るのだ!
ちなみに「キーにゃん」とは、木原の事だ。
ちなみに彼女はこんな性格だが「17歳のお年頃」…そこんとこよろしく。(汗)

「え?ま、まあね…」
木原は陽虎に言う。
「にゃー?キーにゃんって、顔は可愛いけどぉ〜!暗くて近寄りがたいよぉ〜!」
堂々と言う陽虎。
「(ち、近寄りがたい!?)」
渾身の一撃!!木原の心に301のダメージ!(すでに作者の感覚が「おりちゅぴ!」のようだ、とにかく謝罪。)

陽虎の言葉を聞いて龍一も口を挟んだ。
「おい!!陽虎!そんな事を言うなよ!!いくら、俺もそう思っていても、決して本人には言っちゃ駄目だって思ってるんだぞ!!」
木原の心は息絶えた…。

「悪ぃ…俺……帰るわ……(放心状態)」
「まあまあ、待てよ、木原。」
室伏が木原の腕を掴んで引き留めた。

「…何だよ………どうせ、俺なんて………」
マジで泣く木原。だけど、室伏は気にしない。
「どうせ、おまえの事だ、ホープんちに行くんだろ?」
「え?ああ、そうだけど…」
木原は考えを当てられたのに少しビックリした。
「あと、ちょっとすれば、ホープが来るから待ってろよ。今日、親父もお袋もいないから、夕飯作りに来るんだよ。」
「…ホープの料理食うのか!!?」
木原が恐怖の入り交じった声で叫ぶ
「いや、一応、出前はとるから安心しろ。おまえも食ってくか?」
「…ああ、それなら、食ってこうかな…(良かった…死者が出るところだった)」
ホッとしする木原。
「金は払えよ?おごりじゃねぇからな。」
「(ケチィな…(汗))」

僕には、まだわからなかった恐怖の夜が始まるなんてことは……
(by木原)


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