目立たないのが目立つ男
〜縁の下の力持ち〜


第7話


そんなこんなで、ホープにぼこされた室伏&木原。
合コンに行くのは許可されたが、ただし、ホープもついていくのが条件となった。
そして、時は進む…あっと言う間に当日。(小説は便利だねぇ)

「…遅いっ!!」

木原は待ち合わせの場所「静岡駅」の改札口を抜けたホールでメンバーを待っていた。

「室伏はともかく智也や青島も来ないとはな…。どうしたんだろ?」

彼は大きな柱に寄りかかって、改札口を見つめている。
多分、オレンジ色の髪の男を探しているのだろう。
あんな髪の色は、滅多にない。あったとしても、目つきの悪い、怖そうな、高校生3年の兄ちゃんぐらいである。

しかし、電車が来た気配がない…まだ、時間がかかるかもしれない。そう思って、木原は時計を見て微かに見える外の風景を見た。

「本日は晴天なり…か……」

彼は天気を見て少し微笑んだ。
現在、時間は12時半、外では気持ちいい陽の光が空から降り注いでいた。

ガタンガタン…ガタンガタン…キィ――――…

駅のホールの上に電車が止まる音がした。
丁度、真上は線路があるらしい。

「ん?電車が来たな…あいつら、乗ってるのかな?」

「よぉー!」

オレンジの髪のバカ(青島)が…

七:三分けで、しかもスーツ姿で立っている。


それを見て木原は一言だけ言ってみた。

「…帰れっ!」

今まで友達数百人と生きてきたが…こんなセンスの悪い男は見たことが無い。
いや、今見ているが…

「かっこいいだろ?」
「…全然ダメ!!ダサイ!!臭い!消えろ!」
「オルアァ!?そこまで言うか!?」

あの冷静な木原が熱くなった。流石、風龍学園のバレー部のムードメーカー青島
(笑)

「おいおい、何の騒ぎだよ?」
「どうした?」

そこに室伏軍団NO.1のルックスを持つ市川と自称モテモテ男の室伏が現れた。

「あ、二人とも!見てくれよ!こいつが…」

室伏と市川は青島の方を見て開いた口がふさがらない。

「なんだよ。俺の顔に何かついてるか?」

青島は3人の顔を見て、聞いた。

「はぁ………」

3人から、同時に溜息がもれた。

「さようなら…青島…」

3人は決意した…こいつを置いていこうと。

「ちょい待て!!俺を置いて何処行くの!!」

3人は走る…風のように………
変なバカも走る…風のように………


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