目立たないのが目立つ男
〜縁の下の力持ち〜


第8話


「ぜぇぜぇ…く、くそっ!ついて来やがったか!」

息をきらせた室伏がついてきた青島に言う。

「おまえら!逃げることは無いだろうが!!」
「オレンジ髪のバカが7:3なんてやってるのを見たら誰だってひくってーの!!」
「誰がバカか!?」

「「「おまえだ!!」」」(青島以外の3人が声を揃えて)

さすがの青島もこれにはすねる…。
地面に「の」の字を書いている。

「ひでぇなぁ…ひでぇよ。オイッ!(ブツブツ……)」

そして、そんな青島を徹底無視し始めた室伏が「MAP」と書かれたレストランに入ろうとする。


「よし、入るか。」
「ここって、おまえの行きつけのレストランだって?」
「ああ、まあな。飯も旨ぇし、尚かつ安い。店長もいい奴なんだぜ。」
「ふーん。」

室伏と木原がこんな会話をしてる最中に市川がさっさと店内に入っていく。

そして、店内。

カラッカラン……

店の扉が開き、鐘が鳴る。それと同時にカウンター越しから図太い声が聞こえた。

「いらっしゃい…」

その声の主はスキンヘッドで頬に大きな傷があり、眉が無い人相の悪いスゲー怖いオッサンだった。

「…室伏?コ、コイツ、いや、この人、ホントにいい奴なのか?」

市川が汗をダラダラと垂らして聞く。市川が動揺するのも珍しいかった。
おそらく、それぐらい怖いオッサンなのだろう…。
そのオッサンは見るからに闇の中で生きてるって感じだった………が。

「おう!タケちゃん待たせたなぁっ!」
「おぉう、久々だな。今日もサービスするぜ。」

見た目ほど反応は怖くなかったが、木原と市川は絶句した。

「ん?どうした、おまえら?」

そんな二人に気がついた、室伏。

「ちょっと、室伏、集合だ。」
「??…どうした?」

木原に集合を掛けられた室伏が不思議そうな顔をして、向かってくる。

「おまえら、一体、どういう関係なんだ?」
「ん?友達だが、何か問題でも?」
「…もしかして、タケちゃんとやらは、元・ヤクザだったりしないか?」
「うん、そうだが、何か問題でも?」

「「やっぱ、帰るわ、何か怖ぇよ!」」

「あ?なんだ?どうしたんだよ。」

室伏は笑顔で質疑応答していたが、それが逆に怖かった。
そして、思わず帰りたくなった2人。

「なんだよ〜。おまえら、根性ねぇな…女に負ける気か?」
「へっ?」 「はっ?」

帰ろうとした二人は急に振り向いた。
室伏が軽く人差し指を店内の奥に向けた。木原と市川はその指の方向を見ると、ホープとその他の女子が和気藹々と話していた。

「あ、室伏クン、こっち、こっち!早く早くぅ!!」

ホープが店内に響くでかい声で言う。

「ああ、待ってろ!…んで、おまえらはどうすんだ?特に木原。」

木原は忘れていた。今日の合コンは、木原が好きな「空手部の杉本さん」が居るのだ!!ただ店長が怖いと言うだけでは負けられない!!頑張れ木原!

「いくぞ、智也。」
「…ああ、女子に負けるってのは末代までの恥だからなっ!」

市川はこういっているが、間違えないで欲しい。
決して、「闘い」に行くわけではない。ただ、席に座るだけの事なのだ。

そして、彼らは今、歩き席についた。この間、約30秒。


見事成功!

…………………
……………
………




…すごく、くだらない事だった。(投稿者もやっと気がつく)



ん?何か忘れているが……とりあえず、続く。

忘れてないあなたは、髪をオレンジ色にする事をお薦めします。(嘘


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