それが何か
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| ぷつっ しーーーーー 「はい、スピード二十キロオーバーです。送信続けます。」 「かんべんしてくださいよー・・このボートを早く持ち主に・・ ずるり・・・ずるり・・・ 「・・・・・?」 ずるり・・・ずるり・・・ 「おい、なんの音だ?」 「いんや、わからん。」 ずるり・・・ずるり・・・ 「ひきずるみたいなー・・・」 がざん 「・・・・・・・・?」 ちゃぷり ちゃぷり 「・・・・・・・夜光虫か?海が・・・」 ざばり 「―――!!!!」 ぐしゃり めきゃり ばきばきばきばき 「本署を―!!!」 「あ゛―!!!!」 ぼんっ 「ひゃああああー!!!!!」 たったったった 「パトカーはもう駄目だ、トラックへ!とら・・」 どすん ぐしゃり めきめき 「わあっ!!」 そこまできいてようやく無線はきられた。 まったくわけがわからなかったが・・・・とりあえず、異常事態であると、 その受付嬢は判断した。 「近隣のパトカーへ報告。」 腹ごしらえ直後。 すぐさま交通課に連絡したところ、丁度そのナンバーの車が、 スピードオーバーで今、こっちでおさえているというので、 よっしゃよっしゃとパトカーに図々しく同乗させてもらった、 緋龍と畑守であった。 予想以上にはやく進んでくれた事に、畑守は上機嫌だった。 が・・・・緋龍を見てため息をついた。 「・・・緋龍、口の周りがクリームだらけだ・・」 「了解ッス。」 すぐさまハンカチできゅいきゅいと拭くのを見て、 運転席と助手席の二人の巡査が苦笑した。 ふいにパトカーの無線にぴるるるると外線が入ってきた。 助手席の巡査がそれを手に取る。 「・・・・はい、はい・・・了解。現場に急行します。」 「どしたんッスか?」 「目的地で緊急事態が発生されたようで・・・」 めらめらとあがる豪炎が遠くからでも確認できた。 コンクリで固められたビーチの入り口に、 パトカーが一台とトラックが一台、ひっくり返っていた。 「なにがおこったんだ・・・」 「すぐ本署に連絡をっ!」 緋龍が、燃え盛るパトカーの中を覗き込んだ。 警官がいないことに気付き、眉をしかめる。 「畑さん・・・・どうも変ッス・・・・」 「ああ、そうだな・・・どーにもいやなにおいがする。」 「するッスね。」 殺人現場特有のどす黒い臭いがした。 運転をしていた巡査が、海を見て気付いた。 「夜光虫か・・・?」 「こっちに来るなあ?」 |
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