トルーパー

6 MP(マージャンパーティー)プラン


プロトにとって今日はいい日だ。すごくいい日だ。記念日だ。
「なんの?」
「今日はおれが暦にやってきて五周年なんだ・・」
「ほう。」
プロトはこういう行事ごとに関してはとてつもなく五月蝿い。
春には花見にいかなければ気がすまない。
夏は花火見ながらスイカ食わないと、秋は焼き芋ぱくつきたいし、
冬はゆっくり暖をとりたい。
だから、ことにこういった個人的な記念日には、
やたらとテンションが上がる。
「と、いうわけで、なんかしようと思う。
 なにがいいかな?」
急遽、休暇を使ってプロトはひまわり共と、計画を立てた。
「はい!やっぱりパーティーがイイと思いまーす!」
「採用!」
時間がないので今回は即断即決が旨だ。
「はーい。ゲームパーティーにしましょお。」
「採用!」
「はーい!はーい!」
「どうした?」
やたらと興奮して手を上げるひまわりに、プロトの眼が止まった。
「麻雀がいいです!マージャン!」
しばし、沈黙。だが、
「採用!」
数秒後、無数のひまわりから大声が一斉に上がった。
「「「「「なああにい!?」」」」」

「ちょっと待て!麻雀ってどうやるわけ?」
「ポーカーみたいなもんだ!ポーカー!」
「ポーカーも知らないって!!」
「第一、メンツはどうするよ?」
「有り余るほどいるだろうが!」
「よしっ!じゃあ、麻雀できるやつ!お手あげ!」
手を上げたひまわりは二人。ちなみにプロトを含めて三人。
麻雀は四人でやるものである。常識だが。
・・・・・・・・・・・・・・・・・これではできない。
「・・・なあ。」
「んー?」
プロトはどうにもあきらめ切れていないようだ。
「今、ルールを聞いてすぐさまそれを覚えられる人っているか?」
「そりゃ、真紀様だろう。天才だし。」
そこまで言って、ひまわりは青ざめた。
まさか・・・・まさか・・・・まさか!
そのまさか。プロトの足はすでに研究棟へと向いていた。
そのプロトの足にひまわり共がまるで某国のマスゲームの如く、
一致団結してしがみついた。
「なにしやがる!行かせろ!」
と、眼を吊り上げるプロト。それを必死で止めようとするひまわり。
「いや、もうちょっと考えて見ないか?」
「そうだって!」
だが、プロトは足裏のホバーを使ってでもなお進もうとする。
「いいいいいくうううなああああ!!!」
「いやだああ、せっかく出たいい案見過ごす手があるかあ・・」
「お前、その機動力と労働力をちょっとは仕事に回せないのか!?」
「まったくですね。」
との声に、横を見ると、そこには当のご本人。
通りすがりの長月真紀嬢がたたずんでいた。
「あ・・・あ・・」
ひまわり共の悲鳴は声に出なかった。プロトが早速、どこで買ったのか、
麻雀の本を持っていたからだ。

続く。


 


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