の絆

作者 恵駆

第一章「引かれ合う運命の糸」


「何だ?」
「ごめん、ちょっと出てくれる?」

 そう言われて、K´はしぶしぶ受話器を取る。

「あ? 俺だが?」
『もしもし? その声はお父さん!? お父さんだね!?』

 受話器の向こうから聞こえてきた声に、K´は聞き覚えがあった。
 自分を父と呼ぶ少女、クーラ−αである。
 しかし、受話器の向こうから聞こえてくる声はなぜか怒っていた。

「……クーラ?」
『お父さん! そっちにウィップはいないの!?』
「ウィップに何の用だ?」
『いたら代わって! ウィップに話があるんだから!』

 まったく持って話の飲み込めないK´は、そのままウィップの方を振り向く。
 しかし、ウィップはなぜか指でバツを作り、今いないと言ってくれとジェスチャーした。

「あぁ……あいつなら今いないぞ」
『ほんと!? ほんとにいないの!?』
「何そんなに怒ってんだよ?」
『だって……だって……』

 そして、次に出たクーラ−αの言葉に、K´は驚愕することとなった。

『だって、ウィップがシンシアとクロスの3人でチーム組んじゃったんだもん!』
「何だとぉッ!?」

 怒声と共に受話器を放り出すと、K´は改めてウィップを睨みつけた。

「ど う い う こ と だ !?」

 K´の表情から、クーラ−αが真相を語ってしまったことを察したウィップは、顔の前で手を合わせた。

「ごめん! これはマキシマと話して決めたことなの」
「何ぃ!? マキシマとだと!?」

 K´はさらに声を荒げる。

「あいつもグルだったのか!? 一体何が目的だ!?」
「今回はあなたとXXとクーラ−αの3人で、親子水入らずってことで出場してもらおうと思ってね……私達で話し合って勝手にチームを組んだってわけ」
「……………」

 今度は呆れて何も言えなかった。

「……でも困ったわね……あなたが裏側から調査をするようじゃチームは組めないし、あの子達、どうしようかしら……」
「そういう問題じゃねぇだろ……」

 ほぼ投げやり状態になっているK´をよそに、ウィップは少し考えこむ……ふりをしながら、再びパソコンの方に目を向ける。
 すると、ウィップの頭にある名案が浮かんだ。

「そうだ! いいことを思いついたわ!」
「……何だってんだよ……」

 その頃、放り投げられた受話器の向こうでは。

『ちょっとー! お父さん! どうしたの!? 返事してよー!』

     ※


 

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