氷炎の絆
作者 恵駆
第一章「引かれ合う運命の糸」
5
| そう言って微笑みながら、XXは少し歯がゆい気持ちになっていた。 何せ、ほんの数ヶ月前まで、妹などいないと思っていたからである。 その昔、自分はK´と言う名の青年に拾われて育った人間だと思っていた。 K´を養父と認識し、仲間達と共にホーリーナイツの人間として危険と隣り合わせながらも、それなりの人生を送ってきたつもりであった。 だが、ある男から真実を知らされたとき、XXは正直面食らった。 自分がネスツの手によって作られた、遺伝子融合によって生まれた私生児だということ。 養父だと思っていたK´が自分の実の父親であったこと。 自分の本当の名前が「シャロン・ダイアモンド」であったということ。 そして、今時分の隣にいる少女……クーラ−αが自分の実の妹であったということ。 その事実に、XXは一瞬驚いた。 だが、それはほんの一瞬であった。 真実を知った時、なぜか自分は喜ばずにはいられなかった。 どんなに仲間がいても、自分は1人だと思っていた。 自分と血の繋がった人間……「家族」と呼べる者がいなかったからかも知れない。 おそらく、クーラ−αも同じことを考えていたのであろう。 だからこそ、XXは素直に喜べた。 自分にも「家族」はいる……と…… それからは、「XXは変わったな」とマキシマ達からからかわれるようになった。 自分では意識しているつもりはない、今までどおりに振舞っていたつもりである。 しかし、どこかで遠く離れた所にいる妹のことを思わずにはいられなくなってしまっていたのであろう。 だからこそ、こうやって久々に妹と会えることは、数少ない彼女の楽しみであるのかもしれなかった。 だが、先程も述べたように、今日はクーラ−αに会うことだけを目的にここに来たわけではない。 数日前、電話でK´から話を聞いたXXは今回のKOFに出場できなかった経緯と理由を聞いた。 もちろん、「親子水入らず」などという言葉を聞いた時は、頭に血が上る思いであったが。 自分としてはどうでもよかったのであったが、クーラ−αにしては不愉快極まりなかったであろう。 「ねぇ……クーラ……」 「何? お姉ちゃん?」 「あなた、どう思う?」 少し虚ろな表情で空を見上げながら呟くように尋ねるXXに、クーラ−αはきょとんとした。 「……どうって、何を?」 「今回のKOFに出場できなかったことよ」 「ん〜〜……」 XXの言葉の趣旨をようやく理解できたクーラ−αは、少しばかりむすっとした表情になった。 「……勝手だよ……」 |