氷炎の絆
作者 恵駆
第一章「引かれ合う運命の糸」
6
| 「勝手?」 「シンシアもクロスもマキシマもウィップも私達を差し置いてみんなで勝手にチーム組んじゃうし、それに、お父さんだって仕事だからって言って組んでくれなかったし……みんな勝手だよ……私も出たかったのに」 ぷぅと頬を膨らませて思いっきり子供の愚痴をこぼす。 しかし、XXはいたって冷静であった。 「しょうがないわよ。父さんは何も知らなかったわけだし、私達を少しでも危険な目に合わせたくないからああいう仕事を引き受けたんだから」 「わかってるよ……でもぉ……」 まだ納得いかないという表情のクーラ−αに、XXはとっておきの話を持ち出した。 「それに、私達は今回のKOFに出れるようだしね」 「えっ!?」 XXのその言葉に、クーラ−αは目を輝かせる。 その表情を見て、XXは軽くウィンクをして見せた。 「父さんがね、自分がKOFに参加できない代わりに、私達とチームを組んでくれる人を探してきてくれたんだって。今日は、ここでその人と会う予定なのよ」 「本当!? 私、お姉ちゃんと一緒にKOFに出れるんだね!? それで、私達とチームを組んでくれる人って誰なの?」 「それは私にもわからないわ。でも、父さんは『お前達もよく知っている奴だ』って言ってたわ」 「私達が知ってる人? う〜ん、誰だろう?」 頭を傾げながら、クーラ−αは思いつく限りの名前を考えてみる。 だが、思い当たる顔のほとんどはすでに出場が決まっているものであった。 そして最後にある人物の名前が思い浮かんだ。 が、その瞬間。 「わ、私は嫌だよ!」 突然すっとんきょうな声を上げて、クーラ−αはXXの腕を掴んだ。 「え? 突然どうしたの?」 「オリジナルと組むなんて、私は嫌だよ!」 「は?」 XXも思わず顔を引きつらせる。 クーラ・ダイアモンド。 確かに自分もクーラ−αも知っている人物であるが、まず自分達と組むことはないだろう。 というのも、クーラは今回、K´と共に裏側からKOFを探るということになっていることをXXは知っているからである。 「大丈夫よ、あの人は今回出場しないわよ」 「ほんとに?」 「本当よ、だから腕を放してくれる? 結構痛いんだけど」 「あっ、ごめんね……」 申し訳ない表情で、それでどこかほっとした表情で、クーラ−αは掴んでいた手を離した。 「(そういえば、この子はまだ知らないのよね……あの人と私達の関係を……)」 このことも、あの男から聞いた時に知ったことである。 しかし、XXはその真実をクーラ−αに伝えることはできずにいた。 もちろん、父であるK´もショックを受けることを考えて、その場では教えられなかったらしい。 そのため、いまだにクーラ−αは自分がオリジナルの分身でしかないということを根に持っているのである。 「(いつかは伝えなくちゃいけないことだってのはわかってるんだけどね……)」 そのXXの心のうちなど知る由もなく、クーラ−αはずっと考え込んでいた。 「だったら誰なんだろう? もう私が知ってる人っていないよ?」 「そうね……私も皆目見当もつかないわ……あら?」 ふと、2人の視線がある一点で止まった。 そこには全身を真っ白な毛で覆われた小さな生き物が後ろ足だけで立ち上がり、こっちを見ていたのである。 外見からしてそれはイタチのようであった。 しかし、2人にはその白いイタチのような生き物に見覚えがあった。 「あれってたしか……」 「わーーー! シャーベットだー!」 その白いイタチ……ではなく、フェレットに向かってそう呼びかけると、ベンチから離れて、しゃがみこみ、両手を差し出した。 「おいで、シャーベット」 その言葉を理解したかのようにフェレットがクーラ−αに向かって走りより、手の上に飛び乗る。 クーラ−αはそのまま腕の中でフェレットを抱きしめると、立ち上がってXXに見せた。 「ほら、お姉ちゃん見て、シャーベットだよ」 「あら、本当、懐かしいわね……」 そう言いながらXXも立ち上がると、クーラ−αが抱いているフェレット……の方に目を向けず、その背後に立っている黒いロングコートを着た銀髪の男と目を合わせた。 「久しぶりね……ZERO……」 ※ |