氷炎の絆
作者 恵駆
第一章「引かれ合う運命の糸」
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| 「ここも、異常はないようだな……」 薄暗い地下の動力炉を調べながらそう呟くと、K´はその場を後にし、地上へと続く階段を上った。 今彼は、「KOFを裏側から調査する」と言う目的で、世界各地にあるKOF開催予定地の会場に変な細工がされていないか、また、会場の周辺で不審な人物や不自然に設置されているような建物がないかを仲間と共に調べていたのである。 すでに大会に参加するスポンサーとの確認も全て取れていたし、他の会場でも不審な物は発見されなかったと言う報告を受けていたので、これで全ての会場の下調べを済ませたこととなった。 K´は地上に戻ると、眩しそうにしながら、ポケットにしまってあったサングラスをかけた。 すると、彼を待っていたかのように、2人の女性が入り口のそばに立っていた。 「お疲れ様です」 「どうだった? K´」 女性と言うよりも2人とも少女と言った方が正しいだろう。1人は長い金髪を三つ編みにしており、大人びた雰囲気を漂わせていたが、もう1人はペイルブルーのロングヘアーを振り乱さんばかりの勢いでK´に手を振っていた。 K´はサングラスを少しずらして2人を一瞥すると、再びサングラスを掛け直した。 「ここも異常なしだ。そっちはどうだ?」 「この辺りに怪しい人はいなかったよ。ね、アイリス」 「はい、クーラ様」 互いに確認しあうようにしてクーラとアイリスはK´へ報告をした。 「ってことは、これで全部の会場の安全性が一応確認できたってわけだな」 「はい、ですが、実際にKOFが開催されるまでは油断できませんからね」 「そうだな……俺達は次の段階に移る。お前達は引き続き、現場の監視に当たってくれ」 「了解しました」 そう言って2人の元を立ち去ったアイリスを見届けた後、K´はアイリスが去った方とは反対の方向に向かって歩き出した。 「さあ、俺達も行くぞ」 「うん、わかった」 クーラもK´の後を付いていく。 「それにしても、今回のKOFって、いつもよりも規模が大きいね」 「まあ、世界中が注目している格闘家達が集まる格闘技の祭典だからな。それに、今回はちゃんとした表大会、否が応でも規模はでかくなるだろ」 「ふーん、私も出たかったな」 「何言ってんだ、俺達は予測できない事態に備えて裏で見張る任務があるだろ」 「でも、マキシマやウィップは選手として参加してるって聞いたよ? 何でK´だけこんなことするの?」 「俺に聞くな、あいつらが勝手に決めたことだ」 クーラの方を振り向きもせずに話すK´は一週間前のあの悪夢のような出来事を思い返していた。 しかし、そんなことなど知らないクーラは。 「ねえ、そういえばXXとクーラ−αはどうなったの?」 その言葉に反応するかのように、K´が体をビクッとこわばらせた。 |