氷炎の絆
作者 恵駆
第一章「引かれ合う運命の糸」
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| するとそこへ、シャーベットを頭に乗せたクーラ−αが2人の元へと駆け寄ってきた。 「ねぇ、お姉ちゃん、シャーベットが面白い芸を覚えたんだよ」 「あら? どんなの?」 「えへへ、今から見せるね」 得意げな表情でクーラ−αは答えると。 「シャーベット、襟巻き!」 と言った。 すると、クーラ−αの頭に乗っていたシャーベット小さく鳴いて肩に下りたかと思うと、そのまま首に巻きつき、尻尾を絡ませて、あたかも襟巻きのようになったのである。 その様子に、XXは思わず目を見張った。 「まあ、すごいじゃない」 「えへへ、あったかいよ」 楽しげに自慢するクーラ−αに微笑むXXに対し、ZEROは無言で見つめていた。 「あ……面白くなかった?」 ZEROはしばらく考え込んだ後。 「……よく教え込んだとだけ言っておこう……」 そう言うと、ZEROは2人に背を向けて立ち去ろうとした。 「あ、ZERO、どこに行くの?」 クーラ−αが呼び止める。 「俺は戻る……今度は会場で会おう……」 「じゃあ、一緒に出てくれるの?」 「そういうことよ、クーラ。ZEROに感謝しなさい」 ZEROの代わりにXXが答える。 「ありがとう……あ、シャーベット返すね」 そう言うと、クーラ−αはシャーベットを抱きかかえてZEROに差し出した。しかし。 「……そいつはお前に預ける、しばらく面倒を見てやってくれ……」 「え?」 クーラ−αの方を振り向きもせずに、ZEROはそう答えた。 「ほ、本当にいいの?」 「俺は俺でやることがある……そいつの面倒まで見ることはできない……」 「うん、わかった……シャーベットは私が面倒見るね」 クーラ−αのその言葉を聞いたZEROは、何も答えずに、2人の前から姿を消した。 シャーベットもそれを理解したかのように、再びクーラ−αの頭の上に飛び乗った。 「ちゃんと面倒見てあげなさいよ」 「わかってるよ。シャーベット、よろしくね」 クーラ−αに答えるようにシャーベットが小さく鳴く。 そんなクーラ−αに微笑みつつも、XXはZEROが消えていった方を眺めていた。 「(なんだかんだ言って、頼りになるのよね……あの人って……)」 ※ |