塗られた歴史と

ラウンド7「闘う」

K’が、ジークを追っているときに見た男。
『草薙京は、いったい、何処にいるんだ…
ここに来て…道が分からなくなった…』
その言葉が耳に入り、足が止まった。

『…一緒に、来るんなら…来い…
草薙京のとこへ』
            ☆
「そういう理由で、こいつを、連れてきたんだ。
草薙、有り難く思えよ」
「……敵対しねぇんならな……そいつが」
頭を掻きながら話す京の態度は随分とつれない。
「敵対?どういうことだ?」
事情を知らないリュウが聞く。
「こういうことだよ!!」
「むううん!!」
今さっきまで存在を忘れかけていた桐生とジークの
合体攻撃の巨大な緑色の炎が三人を狙った。
ただ、奴らの攻撃の手を、そう何度もくうわけには
いかない。
「なめるなああっ!!」
「うおおおおおおーーっ!!!」
京は都弁刈の火柱で炎を押し潰す。続いてK’が
桐生とジークの合体の炎に、いつもの3、4倍はありそうな
アイントリガーをぶつける。
それでも炎は消えない。Kの炎の力と敵の炎の力が
互いにぶつかりあう。夕刻なのに、冬なのに辺りが熱い。
「いい絵だがよ、こういう場合は相手を
なんとかするのが…」
炎の合間を縫って桐生が向かってきた。
炎をつかったばかりの京とK’はスキだらけだ。
「普通だぜ!!」
炎を拳に乗せて向かってくる。そこに。
「…雑念があっては、勝ちは遠のく…!」
リュウが前へ出る。桐生の突き出す拳を手で受け止める。
「な!?」
そして、その止めた拳を肩に担ぎ、桐生をぶん投げた。
「とぅりゃあっ!!」
「ぐおわああっ!!」
炎で遮られた熱い壁の奥に戻される桐生。
「……てめ…っ」
どこの馬の骨も知らない奴に投げられたことで、
桐生はかなりの屈辱を味わった。
そして、リュウはそのまま目をつぶり、己の精神を
極限まで集中させる。
リュウのまわりに、気が集まる。
            ☆
リュウの気で、さっきまで争っていた炎が消えていく…。
「……」
言葉を出すことができないK’。
「へ…たいした奴だ…」
関心している場合ではないが、関心する京。
「………面白い……お前も、組織再興のための
礎となれ!」
そして、奴をも組織ネスツの再建の力にするためという
目的ができたジークと、
「…ヘ……ヘ……最高の……闘いになりそうだな!!」
上等な相手が登場して以上な喜びを隠せない桐生。
面白みもある、闘いが始まろうとしている。
「……本気で、いくぜ!!」
もうすぐ、光る金の月が出る時間だった。
            ☆
その影で、さっきから闘いを見ていた男が一人。
(京……闘いかたに進歩のない奴め……
それはそれとして……奴が……『九禄』……)



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