血塗られた歴史と炎
ラウンド8「バトル!」
闇が月を"魅せる"時になってきたころだ。
「波動拳!!」
「くらええっ!!」
リュウの波動拳と京の闇払いは同時に桐生に向かう。
「生ぬりいんだよオオッ!!」
鬼焼きの、体を廻る炎だけでその2つを消す桐生。
「まだまだじゃねぇか」
そう思うのは早かった。
京が頭の上にいたのだ。足を出しつつ。
「こっちだぜぇ!!」
(独楽ほふりか…読めたぞ!動きがな!)
鬼焼きで、今度は京を打ち落とそうとする。
すぐさま、足をひいて鬼焼きをかわした。
「かわしたか…そうじゃなくちゃな…!!」
気づいたようだ。波動を溜めている、男の姿を。
これをくらえば、さすがにひとたまりもないだろう。
「くらえ……真空…波動拳!!」
リュウの掌(てのひら)から、波動が放たれる。
「ちいっ!!」
かわすのが間に合わなかった桐生は、ガードするしか
なかった。
「攻撃避けてる暇はねぇぞ!くらえっ!!」
京の毒咬みが襲いかかる。
「クッ!!」
今度は当たった。
「やってくれんなぁ…燃やしつくしてやらぁ!!」
桐生が都弁刈の火柱をだした。リュウと京、
2人同時に向かって。
「なに!?」
「ってめ……!!」
2人は天まで高い炎に巻き込まれた。
「……ちっ、俺としたことが、炎にまかれるとは」
☆
「あきらめが悪いな…ネスツの復活なんてよ。
なんでそんな目的抱えてんだよ」
いっぽう、K’はジークと静かな闘いを演じていた。
いらつきぶりのあるK’に対し、ジークは至って冷静だ。
ジーク「…裏切りの罪、幹部殺害の罪、総帥殺害の罪…
いずれも罪は重い。だからお前は死ななければならぬ。
と言いたいところだが…組織に帰って再興を手伝えば、
今までの罪は無しにしてやるが…」
が、そんなことに、K’が協力するわけがない。
「なめるな!おらああーっ!!」
体に炎をまとった懇親の一撃。
その一撃がジークに当たる。
衝撃で少しあとずさるジーク。
「……さすがに、その心意気は、誉めてやる。
だが、そんな一撃で…む!?」
今の一撃で、ジークのスーツの右肩が壊れた。
こんなことになるとは、K’ごときに壊されるとは、
思いもよらなかったようだ。
「……少しはお前でも楽しめる…かもしれんな。フフ…」
「言うじゃねぇか……なら、そういうナメたセリフが
吐けなくなるまで殴るまでだぜ?それに…
さっきの借りも返してやるぜ、利息つきでな!!」
明らかに人ではなく、獣を見る眼になっていたK’。
顔もやや上向きになっている。
「フフフ……その大口をいつまで叩けるか!」
「いくぞ!!」
☆
リュウと京、そして桐生の闘いも終わってはなかった。
「しぶとい野郎だ……」
「人んこと……言えるかよ……」
「…………やるな………」
随分長いこと闘っているようだが、どちらも
降参する様子は少しも見受けられない。
「そんなことよりよ」
桐生が聞く。
「お前の親父から聞いたけどよ…『九禄』の一族…
知らないってのは、ほんとかよ…」
わけのわからない事を言われた。
「なんだよ……それ」
「……ホントに知らねぇらしいな……なら!」
『九禄』を知らない奴には用はないらしい。
桐生は大蛇薙で京に襲いかかってきた。
炎をかわして鳳燐で桐生を飛ばす。
「ちっ……こんな時に、『無式』さえ使えりゃ……」
「……無式……だと?」
「?それは一体?」
無式とは、草薙家の一家一代の最終奥義の名前で、
今の継承者が京、の筈である。
だが、組織ネスツに捕まって、力を奪い取られて以来、
この技は使えなくなってしまった…。
「無式さえあれば……こんなボロボロの状態からでも、
てめぇなんて……!!」
京が地面に拳を打ちつけて嘆いたその時。
「貴様は……俺の前でもそういうことが言えるのか?」
京にとって、聞き覚えのあるその声。まさか。
「………八神………!!」
赤い髪を月に照らしながら登場した、八神庵。
「八神庵!?」
「なに!?」
リュウたちはともかく、K’とジークも、闘いから動きが
止まった。
☆
「いつからいた………」
京が冷たく言い放つ。
「貴様には関係ないことだ……第一、そんなザマからでは
殺す意味はなかろう」
冷たく言い返す庵。
「……俺に用、ってわけじゃねえ、そういうことだな。
てめぇらしくねぇ……なんだよ、ここに来たのは」
「………桐生……いや。違うな。
………京、貴様は知らんようだが、そいつに用がある。
……『九禄』にな……!」
庵は、ある方向を指指した。
桐生 功の方向を。
「………八尺邁……!!」
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